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自動車ガラスには保安基準があります
自動車に使われるガラスは透明であれば何でもよいわけでなく、詳細な保安基準が設けられています。 例を挙げると、自動車に使われるガラスには、可視光線(目に見える波長の光)の透過率(ガラスが光を通す割合)が規定の数値以上必要です。 また、フロントウインドウにおいては、後ほど紹介する「合わせガラス」の使用が、義務付けられています。 このように基準をクリアしたものが、自動車ガラスとして使用されているのです。車に使われるガラスの種類は、大きく分けると2種類あります
合わせガラス
2枚のガラスの間に樹脂製の強靭な中間膜をはさみ込み、熱と圧力を加えることで圧着させたガラスで、1987年からフロントウインドウへの使用が義務化されています。 飛び石などが衝突しても、ガラスが砕け散ることがないので、ドライバーは視界が確保できることが大きなメリットです。 また中間膜は丈夫で柔軟な素材でできているので、事故の際に乗員がガラスにぶつかっても衝撃を和らたり、乗員の外部への飛び出しを防止する効果もあるので、安全面でも優れたものになっています。 さらにUV(紫外線)を99%カットできる機能もあるため、通常のガラスの倍以上のUVカット率があることも、メリットのひとつです。 このように合わせガラスは、安全面や機能面でも優れたガラスだといえるでしょう。 なお、最近では安全性や防犯上の観点などから、高級車などではリアウインドウやサイドウインドウにも採用する車種もあります。割れると粉々になる強化ガラス
普通のガラスを約700℃に熱した後に急速に冷やすことで、衝撃への耐久力を高めたガラスです。 その強度は一般的な板ガラスのおよそ3倍~5倍といわれていますが、割れた際には破片が粉々になってしまうので視界を妨げてしまうことや、乗員が破片でケガをする恐れがあります。 また、平均的にかかる衝撃には強いのですが、先が尖った硬い物などによる一点への衝撃には弱く、簡単に割れてしまうこともあることも欠点です。 自動車ガラスとしては前述した合わせガラスよりもコストが低いため、一般的にリアウインドウやサイドウインドウに使われています。ガラスにまつわる豆知識
車からの緊急脱出時はサイドウインドウを割ります
TV番組のレスキューのシーンなどでも見かけますが、事故や水没などでドアが開かない場合は、サイドウインドウを割ることが多いようです。 これはサイドウインドウには強化ガラスを使用している車がほとんどですので、先端が尖った物で簡単に割れることが大きな理由になります。 みなさんも水没でドアが開かない事態に陥った場合には、なにか先が尖ったものでサイドウインドウを割って脱出することを覚えておくとよいでしょう。 また、最近ではガラスを割るハンマーが、カー用品店などで販売されています。フロントガラスのキズはリペアも可能
飛び石などでフロントガラスにキズやヒビが入った場合、そのままにしておくと走行中の風圧や振動などで割れてしまう恐れがあります。 500円玉以下のキズやヒビでしたら、交換ではなく専門業者によるリペアで補修できる場合もありますので、早めに修理しておくことがオススメです。 また費用も、交換すると車種によっては10万円以上かかるものが、専門店などでのリペアでしたら半額以下で可能になります。 ただし、キズの大きさによっては、車検が通らない可能性があります。車検の基準となる具体的なキズの大きさ等は定められていませんが、保安基準としては 「運転中の視野が確保されてること」「容易に貫通されないこと」などがあります。最終的には、検査官の判断になりますが、運転席側のキズについては、厳しく確認される傾向にあるため、ヒビなどが確認できる場合は、車検はNGになってしまう可能性が高いです。自動車ガラスの刻印にも意味があります
自動車ガラス下部の左右どちらかには、アルファベットや数字の刻印がされています。 この刻印に記載されているのは、主にガラスの製造会社名や国別の認証(日本ではJIS、ドイツはE1など)、ガラスの種類(L=合わせガラス、T=強化ガラス)、メーカー固有の番号などです。 またフロントウインドウ以外でUV対策がされたものには、UVと記載されています(フロントガラスは合わせガラスなので記載がなくてもUV対策がされています)。自動車ガラスにまつわる豆知識のまとめ
今回は自動車ガラスにまつわる豆知識を中心に紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。 近年ではフロントガラスに速度や走行距離などの情報を表示する「ヘッドアップディスプレイ」など、新しい技術との融合も進んでいるようです。 また、熱線カットガラスや遮音ガラスなど、素材としてのガラス自体にも新技術が導入されています。 透明なだけに普段は目立たない存在ですが、運転時に大切な視界を確保する自動車ガラスも車を構成する重要なパーツですので、清掃などのメンテナンスは怠らずに行いたいものです。 今回の記事を最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 【参考】自動車用安全ガラス及びその試験方法に関するJIS改正【サイト監修者】
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