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衝突被害軽減ブレーキで追突事故は50%ほど減少
公益財団法人交通事故総合分析センターが、衝突被害軽減ブレーキ搭載車と非搭載車で、乗用車(軽も含む)における追突死傷事故件数を2018年に調査したところ、衝突被害軽減ブレーキ搭載車の事故率が非搭載車よりも52.9%低減される結果が出ています。 このことから判ることは、衝突被害軽減ブレーキ搭載によって50%ほどの追突事故を減らすことができるが、少なからず事故が発生するということです。 また、JAF(財団法人日本自動車連盟)が行ったアンケートによると、45.2%の人が衝突被害軽減ブレーキのことを「ぶつからないように勝手にブレーキを掛けてくれる装置」と誤解しているといった結果もでています。この結果から、衝突被害軽減ブレーキ=自動ブレーキといった誤解や過信をしたドライバーが少なくといえるでしょう。 これらのことから、国土交通省では「衝突被害軽減ブレーキは万能ではありません!」と、ホームページや動画などで啓発しています。衝突被害軽減ブレーキの死角
こちらでは、衝突被害軽減ブレーキが作動しないケースをいくつか紹介させていただきます。走行する速度によっては作動しない場合もある
メーカーが定める作動条件の速度よりも高い場合、また低い場合は衝突被害軽減ブレーキが作動しないことがあります。 あるメーカーでは、時速5kmから100kmまでの範囲で自動ブレーキが作動するようになっており、また別のメーカーでは160km以下など、メーカーによって作動速度は大きく異なるようです。雨や雪などの悪天候時や夜間など
使用するセンサー方式によっては、装置の認知精度が落ちるため、作動しない場合があるようです。 特に事故が起きやすい状況だけに、ドライバーには慎重な運転が求められます。急な下り坂や雪道などの滑りやすい路面
これらの道路状況では衝突被害軽減ブレーキが作動して、システムがブレーキを作動させても、十分な制動力を得ることができません。人や自転車の急な飛び出し
衝突被害軽減ブレーキのシステムでは、前方の歩行者や自転車は検知することができても、側面から直前での飛び出しは検知することができません。 人や自転車の飛び出しが想定される道路では、速度を落とすなどのドライバーが最大限の注意をはらう必要があります。検知方式によってメリットとデメリットがあります
衝突被害軽減ブレーキの検知方式は大きく分けると3種類ありますが、それぞれ得意なこと、苦手なことがありますので、自動車メーカー各社では複数の検知方式を組み合わせることで検知精度を上げる工夫をしています。カメラ方式
画像認識により対向車や歩行者などの形状の他、道路の白線などを認識できることがメリットになります。 その反面で、悪天候や逆光などが苦手なため、検知機能が低下する可能性があることがデメリットです。ミリ波レーダー方式
電波を照射することで検知するため、悪天候でも検知機能が低下しないこと、遠方まで検知が可能なことは大きなメリットです。 ただし、形状やサイズを正確に検知することは苦手で、歩行者や自転車などの検知が不得意なことはデメリットになります。赤外線レーザー方式
複数のレーザーを照射することで、歩行者や自転車の形状を検知する機能に優れていることは、メリットといえるでしょう。 しかし、照射距離が短いので遠距離のものは検知ができないことと、雨や雪などの悪天候時は検知機能が低下するため、正確に認識できない可能性があります。衝突被害軽減ブレーキにも死角があり万能ではない
今回は衝突被害軽減ブレーキについて、その効果や死角、検知方式によるメリットとデメリットを中心に、紹介させていただきました。 国土交通省では「AEBS認定制度」を設けて、「静止している前方車両に対して時速50kmで接近した際に、衝突しない又は衝突時の速度が20km以下となること」など、一定の安全基準を制定していますが、自動車メーカーによって使用する検知方式の違いなどにより、検知機能や精度が異なっているのが現状です。 衝突被害軽減ブレーキは、衝突事故を回避してくれる自動ブレーキではなく、ドライバーがミスをしたなど万が一の時に、被害を軽減させるアシストをしてくれる装置と認識しておくことが大切かと思われます。 今回の記事を最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。 【参考】国土交通省 「衝突被害軽減ブレーキは万能ではありません!」【サイト監修者】
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