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- 不当な「あおり運転」で、泣き寝入りしないための準備策
- 「あおり運転」の被害にあった後に、泣き寝入りしないための対策
- 車両ナンバーから相手ドライバーを特定する方法
- 警察への被害の申告と慰謝料請求の民事裁判準備
筆者が受けた「あおり運転」の動画記録
先ずは、ザックリと状況を把握していただきたいので、筆者が受けた「あおり運転」の一部分(危険な追越直後の急ブレーキからUターンしながら警察に通報しコンビニに逃げ込むまで)の動画を公開します。 当動画には以下の内容が記録されています。- 運転中の警察との携帯電話での生のやり取り
- 猛スピードで追い越された直後の急ブレーキ
- 危険回避のためUターン
- Uターン後も執拗に追跡された状況
- 危険回避のためコンビニに逃げ込む様子
筆者が受けた「あおり運転」「危険な運転」被害の全容
被害の全体の概況図
以下の図が、本件の「あおり運転」「危険な運転」の概況図です。 「交差点A」が事の始まりです。
- 汚い言葉による威嚇
- 猛スピードによる追跡と威嚇(2回)
- 前方(進路)を封鎖しての妨害と威嚇(2回)
- 筆者は危険回避のためUターンしたが、その後も追跡行為を継続
あおり運転の発端となった「交差点A」
「交差点A」では、相手方ドライバーによる信号無視で危険な状況が発生しました。
- 筆者車両は「交差点A」に左折のため東向きに赤信号で停止
- 青信号になったので左折のため進もうとすると、北側から信号無視の相手方車両が右折進入してそのまま進行
- 筆者は反射的に「危ないっ」と叫びつつ、相手方車両を凝視
- すれ違う時に相手方車両ドライバーと目があい、「不機嫌そうな顔」をしていたのを確認
- 筆者はそのまま左折し、交差点Bに進行
- 相手方車両は、すれ違った直後にUターンをして筆者車両を猛追
追いかけられて前方をふさがれた「交差点B」
「交差点B」では、1回目の前方封鎖による威嚇を受けました。
- 筆者車両は直進するため赤信号の交差点Bで停止中
- 相手方車両は交差点Aですれ違った後にUターンし、猛スピードで筆者車両に接近
- 接近後は筆者車両の横につけて、汚い言葉と大きな声で威嚇を開始
- 危険を感じた筆者は、相手にせず青信号と同時に前進を試みるが、更に前をふさがれたため、前進不能になった。
- 仕方がなくバックすると、相手方車両もバックしたため、前方が瞬間的に解放
- その瞬間に前進を開始し、交差点を直進し、警察に通報する準備を始めた
- ルームミラーにて、再び猛スピードで接近する相手方車両を確認
2回目に前方をふさがれたポイント

危険な追越が開始された瞬間
黄色線にも関わらず、相手ドライバーは猛スピードで追越をかけてきました。
追越直後の急ブレーキ
追越された次の瞬間に急ブレーキをかけられましたブレーキランプが点灯しているのが確認できます。 相手車両の前方は空いているので、このタイミングで急ブレーキが必要な理由はありません。
- 交差点Bを通過し加速を試みたが直ぐに追いつかれてしまった。
- ところが、今度は対向車が無くなったタイミングで追い越しをかけられた。
- 追い越した次の瞬間に、急ブレーキをかけられ、かつ前方をふさがれた。
- やむを得ずUターンをした。Uターン中に、警察と電話がつながった。
- 「今、危険なドライバーに後をつけられています」と伝えたところ、「何かお店やスーパーなどがあったら、直ちに入ってください。」と通報対応中の警察官に指示された。
- Uターン後、前方にコンビニがあったので店の前に車を止めた。
- 相手方車両も同様にUターンし、執拗に筆者車両を追いかけてきた。
- 相手方ドライバーは、筆者車両のすぐ横を、怒鳴り声と共に威嚇しながら通り過ぎて行った。
- 警察とは電話がつながったままであったので、怒鳴り声の様子と相手方車両のナンバーをその場で読み上げて通報した。
通報後の警察の対応
警察に通報した後は、そのままコンビニの駐車場で待機し、警察官が来るのを待ちました。20分ほどして、若い警察官が自転車でやって来ました。 警察官には、あおり運転の被害の終始を、記憶のままに伝えました。少し落ち着いた感があったのですが、一方で接触事故寸前の危険な運転をした相手方ドライバーに対し、どうにもおさえようのない「猛烈な怒り」が込み上げてきたのです。現場に来てくれた警察官に「ナンバーが分かっているのだから、直ぐに捕まえて厳罰に処してください」とお願いしたところ、「事故が発生しておらず、かつ、あおり運転の行為を警察官が現認していないので、証拠の状況にもよるが、直ちに捕まえて処罰するのは難しい」と返答されました。 よって、何も見ていない警察官と、このまま現場で話を続けても進展は望めないと感じたので、「速やかに証拠を整理して、後日に被害の申告に行きます」と告げてこの場を終わりにしました。実際に行った、警察への「あおり運転」被害の申告要領
警察に、今回の「あおり運転」の被害を申告するため、ドライブレコーダー内に証拠として使えるだけの情報が記録されているかを確認し、整理した資料を作成しました。 作成要領は、あおり運転の被害が発生した場所のグーグルマップ(航空写真)をキャプチャし、ドライブレコーダーの記録を参照して、時系列で状況をマップ内に吹き出しをつけて明示しました。警察に提出した資料の具体的なイメージ
以下は、警察に今回の「あおり運転」被害を申告するために作成し提示した資料の一部のイメージ図です。この要領で、「あおり運転」被害の全行程を「A3紙 4枚」に可視化し、ドライブレコーダー動画と併せて説明しました。
実際に警察に提出した資料
以下の資料は実際に警察に提示したものです。 上項のイメージの要領でグールルマップ(航空写真)を下地にして、あおり運転の流れを時系列でプロットしています。各種の生情報が記載されているため、モザイク処理をして掲載します。 ドライブレコーダ内に一部始終が記録されていたので、迷いなどなく、淡々と作業を進めることができました。仮に、ドライブレコーダーを庄着していなかったら、この資料の作成は不可能でした。交差点A:相手ドライバーの信号無視の詳細

交差点B:前方が封鎖されて威嚇された詳細

危険な追越と急ブレーキの詳細

Uターン後から避難するまでの詳細

警察への「あおり運転」被害の申告
あおり運転の被害を受けた数日後に、上記の「資料」と「ドライブレコーダーの動画」を持参して、最寄りの警察署に「あおり運転」被害の申告を行いました。 提示した資料については「証拠として十分扱える」と応対した警察官から太鼓判を押されました。 申告当日は、正しい手順で被害の申告をするため、及び警察側に筆者の本気度をアピールするため、知り合いの弁護士に同席してもらいました。当資料は、上述の通り、ドライブレコーダーの記録の流れを現場周辺の「グーグルマップ(航空写真)」に落とし込んで、時系列に準じ「警察との電話でのやり取り」を含めた一部始終を地図上にプロットしたものです。資料を作成したことにより、動画で記録されている内容が、全て地図上に掲示でたので、全体の流れが「可視化」でき、担当の警察官に事実を伝えるのに極めて効果的でした。警察に被害を申告することに、こだわった理由
被害を申告する段階から、弁護士の助言を受けながら動いていました。筆者が被害を申告することに、こだわった理由は2つです。- あれだけの執拗かつ危険な運転をしたドライバーが処罰されないのでは、筆者の感情がおさまらなかったから
- 民事訴訟にて賠償請求することを考えていたので、相手方が交通違反等で検挙されれば、当方に有利と考えたから
警察官立会いの下「あおり運転」被害の現場検証
現場検証については、主として追い越しがあった前後を中心に実施されました。作成した資料には、追い越された地点などもプロットしてあったので、資料は現場検証の際にも大いに役立ちました。

相手ドライバーの検挙
数日後、相手ドライバーを検挙した旨の連絡がありました。 結局、一連の被害の申告や資料の作成によって、相手方を検挙する根拠になったのは「スピード違反」や「危険な走行の有無」ではなく、黄色のセンターラインにも関わらず「前方車両を追い越した事実」でした。 追い越された前後を入念に現場検証していたのはこうした理由があってのことなのだろうと推測できます。 100%納得できる検挙ではなかったのですが、一連の「あおり運転」の当事者であるドライバーが、無理な追越で検挙されたという事実は、間違いなく民事の材料になるので一定の成果はあったと判断しました。警察は、相手方の情報を一切開示しない(できない)
警察は、相手方の検挙に至っても相手がどこの誰であるのかに関する情報は一切開示してくれません。 警察は、民事不介入なので、民事訴訟(賠償金を請求する裁判)を起こすと意思表示したところで何の効力もなく、捜査上で入手した情報は一切教えてくれないのです。 すなわち、「相手方ドライバーの情報(氏名や住所など)」は自力で調査し入手しなければなりません。 当然、相手方ドライバー(車両所有者)が、どこの誰であるのかが特定できなければ、提訴しようがありません。筆者が、直接陸運局に出向いて、ナンバーの情報から所有者情報の開示を要請しても、それに応じることはありません。 しかし、弁護士に相談し、弁護士会の承諾が得られれば「弁護士法第23条の2」に基づき、官公庁や企業などの団体に対して必要な情報提供を調査・照会することができる制度が存在します。筆者も、この制度を活用して相手方の氏名や住所などの情報を入手することになります。車両ナンバーから「あおり運転」ドライバーを特定する方法
警察に「あおり運転」の被害を申告し、相手方の検挙にいったても警察は相手ドライバーの情報を一切開示しません。 つまり、被害の申告によって相手方ドライバーが後日検挙されても、個人情報が不明なので、このままでは提訴できません。あおり運転ドライバーの特定方法
相手方車両の「ナンバー」が判明していれば、弁護士を通じ「弁護士法第23条の2」に基づき、車両ナンバーを所轄する陸運局に照会を受け、ドライバー(車両所有者)を特定することが可能な制度があります。こうした意味でも、証拠として相手方車両のナンバーを確認し、記録しておくことが極めて重要です。回答書と入手した相手ドライバーの車検証
以下が照会制度を活用して入手できた、相手方車両の車検証などです。照会の回答書

相手車両車検証

あおり運転の被害に対する訴状の具体的な作成要領
あおり運転によって被った精神的苦痛などの程度に応じて、損害賠償(慰謝料)を請求するために民事裁判を起こしました。提訴と訴状について
損害賠償(慰謝料)などに関する請求は刑事訴訟ではなく民事訴訟で争うことになります。 そして、請求金額が140万円以下の場合の取り扱いは、簡易裁判所です。原則として相手方の住所を所轄する裁判所に起こします。訴状の構成
訴状は、全部で6ページ程度で、構成は以下です。
訴状の具体的な内容
以下、本件で実際に提出した訴状を可能な範囲で掲載します。互いの個人情報や発生場所などが特定される恐れのある情報は、削除または表現を変えています。 全般的な趣旨は変わっていないので、参考にしていただけたら幸いです。訴状(1頁目)
訴 状 *******簡易裁判所 御中 原告訴訟代理人 弁護士 ***** 平成**年**月**日 当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり 慰謝料請求事件 訴訟物価額 金**万円 貼用印紙額 金****円当事者目録(2頁目)
当事者目録 〒***-**** ******************* 原告 ***** 〒***-**** ******************* *******法律事務所(送達場所) TEL***-***-**** FAX***-***-**** 上記原告代理人 弁護士 ***** 〒***-**** ******************* 被告 *****第1 請求の趣旨(3頁目)
第1 請求の趣旨 1 被告は、原告に対し、金**万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日から支払済みに至るまで年5分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は、被告の負担とする。 との判決並びに仮執行宣言を求める。第2 請求の原因(4頁目)
第2 請求の原因 1.平成**年**月**日午前7時25分頃、***市***番地付近の交差点において、原告の運転する車両(以下「原告車両」という。)は、東向きで赤信号のため停車した。青信号を確認した後、左折を開始した。そうしたところ、被告の運転する車両(以下「被告車両」という。)が、赤信号を無視し、北側から南向きで交差点に進入し、そのまま右折した。その際原告は、反射的に「危ない」と車内で叫んだ。 2.同7時26分頃、原告車両は、同市****丁目*番付近交差点において、赤信号を北向きに停止していた。そうしたところ、被告は、原告車両の右側にある右折レーンに被告車両を横付けし、窓を開け、原告に対し大声で威嚇してきた。 3.同7時27分頃、信号が青に変わり、前方車両が動き出したため原告は北方向へ直進しようと原告車両を発進させようとした。ところが被告が、急ハンドルにて原告車両の前に斜めに進入し、原告車両の進路を塞ぎ、原告車両が発進できないようにした。こうした状況下、原告車両は左前方に僅かな空間を見出し前進を試みたが、被告は同交差点にて同様の進路妨害を3回繰り返し、徐々に原告車両を道路左端に追い込み、ついには原告車両の進路を完全に塞いだ。 4.原告は、かなりの恐怖心と身の危険を感じた。このまま停止し続けるのを危険と感じた原告は、車両をバックさせた。被告も車両をバックさせた為、前方が開いた瞬間原告は車両を前進させ、北方向へ加速進行した。 5.しかし被告は、更に原告車両を追跡してきた。追い越し禁止及び時速40キロ制限のある道路上において被告は、時速約100キロという猛スピードで原告車両に接近し、猛加速にて原告車両を追い越した。更に被告は、追い越し行為を行なった後、車間距離をとることなく、急ハンドルにて走行する原告車両の前方に進入し、急制動を行なうなど、同市****丁目*番付近の路上まで、上記危険運転を繰り返したものである。 6.原告は、被告の危険運転行為に身の危険を感じたため、車両をUターンさせ、反対方向へ進行し始めた。それに気づいた被告も、同様の行動をし、また原告車両を追跡してきたものである。 7.原告は、携帯電話にて110番通報をした。そして、警察の助言にもとづき、近くのコンビニエンスストア(****店)前に、車両を停車させた。被告は、電話中の原告を確認しつつ、原告車両の横を猛スピードで南に走り去った。 8.被告の原告に対する、猛スピードでの追跡、速度制限があり、しかも追い越し禁止である一般道における猛スピードによる追い越し及び原告車両前方への急割り込み急停止という一連の行為によって、原告に対し、その生命身体自由に対する害を加うべきことを告知し、もって原告を脅迫したものである。このことにより原告の蒙った精神的苦痛の損害を金銭に評価するならば金**万円を下回ることはない。 9.よって、民法709条に基づき請求をなすべく、本訴に及んだしだいである。 以上証拠方法(5頁目)
証拠方法 1 甲第1号証 状況の概要 附 属 書 類 1 訴訟委任状 1通 2 甲号証(写し) 各1通証拠 甲第1号証(6頁目)
証拠は、警察に被害を申告したときに作成した資料と、ドライブレコーダー動画を準備しました。提訴後について
訴状を裁判所に送ると、裁判所から相手方に送付されます。 基本的には、相手方は裁判所から送付される「訴状」を受け取った時点で、自分が訴えられていることを知ることになります。「あおり運転」の裁判について
「あおり運転」を仕掛けてきた相手方ドライバーを提訴し、損害賠償(慰謝料)について民事裁判にて争うことになりました。 あるだけの証拠を提示し、被告(相手方ドライバー)が、どれだけ危険で卑劣な行為をしたのかを正々堂々と証言する覚悟でした。 訴えを起こした原告なので、これは当然です。 しかし、その幕切れはあっけないものでした。事案発生から約3か月後(約90日後)、提訴してから約3週間後に、相手ドライバーから筆者側の弁護士宛に謝罪の連絡が入りました。事案発生から約90日後に突然の謝罪連絡
裁判所から送られた訴状を確認した被告(相手方ドライバー)は、当方代理人の弁護士事務所に電話で「訴えを取り下げて欲しい」との申し入れをしてきたのです。弁護士が相手ドライバーに対し「あおり運転を認め、謝罪し、請求額全額を支払うのなら訴える理由はありません。」と告げたところ、素直に応じました。 こうして、法廷で争うことなく、訴えの取り下げによって、期日を迎えることなく全てが終了になりました。全てのドライバーが謝罪に応じるとは考え難い
本件のように、全ての「あおり運転ドライバー」が、素直に謝罪に応じるとは考え難いです。筆者は、この点においては幸運だったと言わざるを得ません。 また、筆者には知り合いの弁護士が寄り添ってくれていたので、あおり運転をした相手方ドライバーと直接に対峙する必要がなかったため、裁判手続きが進んでも不安を感じることはありませんでした。 相手の出方次第なので何とも言えませんが、こじれる場合などを想定し弁護士に委任するのが得策だと感じています。請求額が少額なら司法書士でも対応可能
損害賠償や慰謝料などの請求額が140万円以下の少額請求の場合は、司法書士でも代理業務を行うことが可能です。 ※ 参考:司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定(法務省)弁護士に依頼するよりもコストを抑えられることが期待できますので、選択肢の一つとして考えてみてください。あおり運転被害の教訓と泣き寝入りしないための対策
証拠がなければ、泣き寝入り!どうすることもできない
これは、今回の「あおり運転」被害で最も強く感じたことです。一部始終を「映像+音声」で記録してくれているドライブレコーダーのありがたさを感じることができました。 もし、筆者の車両にドライブレコーダーがついてなかったら、相手方ドライバーの特定すらできなかったと思います。 要するに、民事裁判を起こして損害賠償を求めることなど絶対に無理でした。恐らく、やむなく泣き寝入りしていたことでしょう。そして警察はもとより、弁護士にですら、事実として認識してもらうのは困難であったと考えます。 また、当然のことなのですが、ドライブレコーダーの記録は、それ自体が秒単位の時系列で存在しているため、情報を整理する際に何ら手を加える必要がありません。これは、資料作成上、極めて効率的に作業が進みます。グーグルマップ(航空写真)の活用は絶大な効果
ドライブレコーダーのただ一つの弱点は、全ての情報を一度に確認できないことです。すなわち、5分間の「あおり運転」被害を受けた場合、全体を把握するためには最低でも5分間の動画を見続けなければなりません。 しかし、この5分間を「グーグルマップ(衛星画像)」に落とし込んだ資料を作成することで、その全体像を瞬時に見渡すことができるようになります。 これは、第三者(警察官や弁護士)に説明する際には、極めて有効です。互いに意見を交わし理解を深めてもらううえで重要な役割を果たしてくれました。 理解のしやすさは証拠能力の高さそのものです。これは、証拠として機能するうえでとても重要な要素です。 しかも衛星画像なので位置関係がとても正確で、ドライブレコーダー画像との照合が極めて合理的に進められます。相手ドライバーの特定や被害の証明は全て自力
重大な事故が発生し刑事裁判等に至った場合は別ですが、原則として警察は民事不介入なので、「裁判を起こして相手に賠償請求します」と警察に意思表示しても、相手ドライバーの情報(氏名や住所)は一切開示してくれません。 当然のことながら、警察は「どっちが良い悪い」についても一切言及しません。 要するに、「あおり運転」をした相手方車両の「ドライバーの特定」や「受けた被害の証明」は全て自力で行わなければなりません。 こうした状況を鑑み、ドライブレコーダーを付けていなかった場合は、完全に「アウト」でしょう。 そもそも、相手ドライバーの「氏名」と「住所」を明らかにしなければ、訴状を作成することができず、民事裁判で争うことはできません。 万が一、ドライブレコーダーがなくても、「あおり運転」被害を受けた周辺の防犯カメラを確認すれば映っているのでは? と考える人も多いようです。確かに、そうなのですが、事件化しなければ警察は動きません。 今回のような事案では、防犯カメラの位置調査、カメラ所有者への協力依頼、映像の確認、証拠化までの全てを自分でやらなければなりません。普通の人がこれをやるのは、現実問題として無理です。 こんな時に頼りになるのが、弁護士です。車両のナンバーが分かっていれば「弁護士法第23条の2」に基づき、相手方を特定することが可能です。とにかく迅速に進めるのが重要
どんなに本人にとって重大な事案であっても、時間とともに記憶が曖昧になります。人間である以上、これを避けることはできません。したがって、とにかく全てを迅速に進めることが重要です。 これは、本人だけでなく、関わる人の全てにも同じことがいえます。警察官や弁護士は、多くの案件を扱っているため、時間が開いてしまえば、それだけ注意がそがれます。注意がそがれれば、進めるモチベーションも低下してしまうのが自然です。 関わる人のモチベーションが低下してしまうと、それなりの結果しか導けません。こうした状況を回避するためには、やはり可能な限り短期間で、進める以外に方法はありません。ドライブレコーダーは後方カメラも必要
筆者のドライブレコーダーは前方カメラしかありません。今回の「あおり運転」被害については、偶然にも筆者車両を相手ドライバーが追い抜く形態でのあおり運転だったので、映像内にナンバーを記録することができました。 しかし、追い抜きを伴わない「あおり運転」であった場合、前方カメラだけではナンバーを記録することはできなかったはずです。正直、あおり運転を受け、命の危険すら感じている最中に、ナンバーを目で確認し、かつ最初から最後まで記憶できるドライバーは、そういないはずです。 こうした状況を考えると、後ろ向きにもカメラを付けることが可能なドライブレコーダーの方が万全だと感じました。ドライブレコーダーは常時録画すべし
昨今では、常時録画機能が付いているのがスタンダードですが、純正のドライブレコーダーには未だに設定Gを超えた前後だけ録画する形式のレコーダーがあるようです。 「あおり運転」の被害を受けている全ての区間で高Gが発生している訳ではありません。常時録画していないと、一連の「あおり運転」の流れの全てを記録できず、Gが発生した部分だけの断片的な記録になってしまいます。 断片的な記録では、全体像を第三者に理解してもらうのがとても難しくなります。本人は、分かっているので「ここと、ここの間はこうやって走っていました」と説明することはできますが、聞いている人はそれぞれの想像に頼ることになり、全体としての証拠能力が低下する恐れがあります。「あおり運転」から身を守るために皆さんにお願いしたいこと
本件の「あおり運転」被害の経験を通じ、身を守るために皆さんにお願いしたいことが3つあります。- 相手の怒りを更にアップさせる行動は絶対にしない
- 安全な速度で走行し、可能な限り速やかに人が多くいる場所に止める
- 110番する
【動画】接触事故の瞬間!過失割合10:0に
- 接触事故の実録、過失割合が10対0に!ドラレコが決め手
筆者は大型ミキサー車とサイドミラーの接触事故を経験しました。ドラレコの記録が決め手となって過失割合が10対0になりました。
【サイト監修者】
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