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「うっかり右折してしまったけれど、罰金はいくらだろう」「違反点数は何点つくのか」と検索された方は多いと思います。罰金と反則金を混同していたり、そもそも「右折禁止」という名前の標識が日本に存在しないことをご存じない方も少なくありません。
結論を先にお伝えします。右折禁止違反は道路交通法上「通行禁止違反」に該当し、普通車の反則金は7,000円・違反点数は2点です。罰金ではなく行政上の反則金で、青切符で済むのが通常の取扱いです。
このページでは警視庁の最新一覧表をもとに、車両区分ごとの反則金、刑事罰との違い、標識の見方、Uターン可否、混同しやすい交差点右左折方法違反との差まで整理します。FP記者として、また無事故無違反を続けてきたドライバーとして、読者の方が同じ場所で再び立ち止まらないよう、要点を絞ってお届けします。

右折禁止違反は「通行禁止違反」|罰金と点数の正解
違反点数2点・反則金は普通車7,000円が基本
右折禁止の標識がある交差点で右折してしまった場合、適用されるのは道路交通法第8条第1項の通行禁止違反です。違反点数は2点、普通車の反則金は7,000円と定められています。
反則金は車両区分によって変わります。大型車は9,000円、二輪車は6,000円、原付車と小型特殊車は5,000円です。これは警視庁が2026年4月1日付で公表している最新の一覧と一致します。
ここで使われる「2点」という違反点数は、過去3年間の累積で6点に達すると免許停止処分の対象となる行政処分上のカウントです。1回の右折禁止違反だけで即免停になるわけではありませんが、軽い違反ではありません。
| 大型車 | 9,000円 | 2点 |
| 普通車(軽自動車含む) | 7,000円 | 2点 |
| 二輪車 | 6,000円 | 2点 |
| 小型特殊車 | 5,000円 | 2点 |
| 原付車 | 5,000円 | 2点 |
「右折禁止」標識は日本に存在しない|正式名称は指定方向外進行禁止
日本の道路標識のなかに「右折禁止」と書かれたものは実は存在しません。右折禁止を意味する標識の正式名称は指定方向外進行禁止です。
青地の丸い標識に矢印が描かれており、その矢印で示された方向以外への進行を禁止するという意味になります。右方向の矢印がない標識を見たら、その交差点では右折してはいけないということです。
たとえば直進と左折の矢印しか描かれていなければ右折禁止、直進矢印しか描かれていなければ右折と左折の両方が禁止という具合に、矢印の数と向きで内容が変わります。私自身も初めて走る幹線道路でこの種の標識を見落としそうになった経験が何度かあります。
| 直進のみ | 直進だけ可 | 右折・左折いずれも不可 |
| 直進+左折 | 直進と左折のみ可 | 右折のみ不可 |
| 左折のみ | 左折だけ可 | 直進・右折いずれも不可 |
| 右折+左折 | 右折と左折のみ可 | 直進のみ不可 |
罰金と反則金は別物|青切符で済むのが通常の流れ
記事タイトルでは「罰金」という言葉を使いましたが、厳密には罰金と反則金は別の概念です。罰金は刑事処分、反則金は行政処分という違いがあります。
通行禁止違反の刑事罰は道路交通法第119条第1項により3か月以下の懲役または5万円以下の罰金と定められています。ただし違反点数が6点未満の軽微な交通違反は交通反則通告制度の対象です。
この制度のもとでは、その場で青切符が交付され、定められた期日までに反則金を納付すれば刑罰は科されません。手続きはそこで終了し、前科も付かないのが通常の流れです。
ただし、反則金を期限までに納付しなかった場合や、飲酒・無免許など反則通告制度の対象外となる事情がある場合は、刑事手続きに移行します。「罰金」と呼ばれる5万円以下のリスクが現実化するのは、こうした例外的なケースです。

FP視点で見る右折禁止違反の本当のコスト
反則金7,000円だけでは終わらない|保険等級とゴールド免許への波及
右折禁止違反のコストは反則金7,000円だけだと思われがちですが、FPの視点で試算するとそれだけでは終わりません。最も影響が大きいのは、次回の免許更新時にゴールド免許がブルー免許に降格することです。
ゴールド免許を保有していると、多くの自動車保険会社で「ゴールド免許割引」が適用されています。割引率は会社によって異なりますが、年間保険料がおおむね5〜10%程度安くなる仕組みです。
年間保険料が6万円の家庭の場合、5%の割引が消えると年3,000円の負担増になります。次の更新まで残り4年なら、合計で1万2,000円の差が出る計算です。反則金とあわせて2万円弱の出費に膨らみます。
さらにゴールド免許は免許更新時の講習が30分の優良講習で済み、有効期間も5年と長いという利点があります。違反1回でこれらの権利を一気に失うことを考えると、反則金7,000円という数字以上の重みがあります。
| 反則金(普通車) | 7,000円 | 1回限りの直接負担 |
| ゴールド免許失効に伴う保険料増 | 年3,000円前後×4年=1万2,000円程度 | 年保険料6万円・割引5%の場合 |
| 講習時間の延長 | 30分→1時間以上 | 更新時の機会損失 |
| 有効期間の短縮 | 5年→3年 | 免許更新の手間が増える |
違反点数2点が累積で意味すること|免停までの距離感
違反点数は過去3年間の累積で管理されます。前歴がない一般のドライバーが免停処分を受けるのは、累積点数が6点に達したときです。
右折禁止違反の2点は、6点までの「距離」のちょうど3分の1を一度に消費する計算になります。残り4点までは、軽い違反が2〜3回重なれば届いてしまう水準です。
たとえば右折禁止違反の後、半年以内に20km/h未満の速度超過(1点)と一時停止違反(2点)を犯すと、累積5点で免停一歩手前まで近づきます。さらに信号無視(2点)が加われば6点に到達し、30日間の免停です。
無事故無違反を続けてきた私の感覚として、累積点数を意識し始める分岐点はこの2点違反です。1点の違反は「不注意のミス」として処理しやすい一方、2点を一度に失うと「次の違反は許されない」という意識に切り替わります。
補助標識を見落とすと起きやすい違反パターン
指定方向外進行禁止には、しばしば補助標識が組み合わされています。代表的なものが時間帯指定で、「7-9」「8-20」のように記載されたものをよく目にされるはずです。
たとえば「8-20」の補助標識が付いた指定方向外進行禁止標識の場合、規制が有効なのは午前8時から午後8時までです。それ以外の時間帯は右折しても違反になりません。
ただし、通勤や買い物で同じ道を繰り返し走る方は要注意です。休日に右折できた交差点が平日朝には右折禁止になっている、というパターンで違反が起こりやすくなります。
また「大型を除く」「日曜・休日を除く」といった車種・曜日限定の補助標識もあります。本標識だけ見て判断するのではなく、必ず補助標識まで含めて確認する習慣をつけることが、無事故無違反を維持するうえでとても効きます。
混同しやすい違反と最近の制度動向
交差点右左折方法違反との違い|こちらは1点・4,000円
「右折禁止違反」と名前が似ていて混同されやすいのが交差点右左折方法違反です。こちらは右折禁止の場所で右折したケースではなく、交差点で右折・左折する際の通行方法に違反したケースを指します。
具体的には、右折時に交差点の中心の直近の内側を通行しなかった場合や、左折時にあらかじめ道路の左側端に寄らずに大回りで曲がった場合などが該当します。
違反点数は1点、普通車の反則金は4,000円と、通行禁止違反より軽い扱いです。同じ「右折」がテーマでも、根拠条文も金額も全く違うため、警察官から告げられた違反名は必ずその場で確認しておくべきです。
(右折禁止違反) | ||
|---|---|---|
| 該当する状況 | 右折禁止の場所で右折した | 右左折時の方法(曲がり方)を誤った |
| 根拠条文 | 道路交通法 第8条第1項 | 道路交通法 第34条 |
| 違反点数 | 2点 | 1点 |
| 反則金(普通車) | 7,000円 | 4,000円 |
| 反則金(大型車) | 9,000円 | 6,000円 |
Uターンは可能?2012年法改正のポイント
「右折禁止の標識がある場所ではUターンもできないのでは」と誤解されている方が多くいらっしゃいます。法令上、右折と転回(Uターン)はそれぞれ別の行為として扱われており、右折禁止標識があってもUターン自体は別途規制されない限り違反になりません。
Uターンが違反になるのは、青地に赤い斜線のUターンマークが描かれた「転回禁止」の標識や標示がある場所に限られます。右折禁止と転回禁止は別の規制で、それぞれ独立して設置・解除されているのが基本です。
なお、2012年4月1日の道路交通法施行規則改正では、右折青矢印信号が表示された交差点でもUターンが可能となりました。それまでは右折矢印信号の下でUターンすると信号無視と扱われていましたが、現在は転回禁止の規制がない限り、青矢印中のUターンも認められます。
標識が見えにくい場合に違反が取り消された判例も
道路交通法施行令第1条の2第1項は、道路標識は歩行者や車両等の前方から見やすい場所に設置するよう定めています。客観的に見えにくい状況だと判断されれば、違反が成立しないと評価された事例も存在します。
実際に2019年3月、神戸地方裁判所は、通行禁止違反の交通反則切符を交付された男性の取消請求を認め、違反を取り消す判決を出しました。この事案では、規制標識がカーブを抜けた直後に設置されていて、走行中のドライバーから1〜2秒弱しか見えない位置にあったと指摘されています。
もっとも、これは極めてまれな判断であり、客観的に標識が見やすい場所に設置されていれば、自分にとって見えにくかったという主張は通りません。納得できない場合は青切符にサインせず、警察官や交通切符センターに照会することがまず第一歩です。






