
2026年4月22日、表参道で新型CLAが日本初公開。BEV版は航続792km・ICE版は1.5L直4 MHEVの2本立て。欧州Car of the Year 2026を獲得した本命モデルが、2026年夏に国内導入される運びです。
2026年4月22日に日本初公開された新型メルセデス・ベンツCLA。BEVのCLA 250+ EQ Technology(航続792km WLTP)と1.5L直4+48V MHEVを搭載したICE版の2本立てで、2026年夏に国内導入予定。欧州Car of the Year 2026を1974年以来52年ぶりに獲得した本命の世代交代モデルです。
「メルセデスのコンパクトは、世代交代でここまで変わる」。そう感じる新型CLAの姿が、いよいよ日本市場の射程に入ってきました。
メルセデス・ベンツ日本合同会社は2026年4月22日、新型CLAを日本初公開しました。展示は表参道に同日内覧スタート・4月24日一般オープンの期間限定ブランドストア「Mercedes-Benz Studio Tokyo」で実施しています。BEV版CLA 250+ EQテクノロジーは85.5kWhバッテリーで航続792km(WLTP)、CLA 350 4MATIC EQテクノロジーは0-100km/h加速4.9秒の354馬力仕様。一方ICE版は1.5L直4エンジンに48Vマイルドハイブリッドと新開発8速eDCTを組み合わせ、CLA 180/200/220の3グレードを展開します。国内導入は2026年夏予定です。
新型CLAの核心は、メルセデス・ベンツ自社開発の新プラットフォーム「Mercedes-Benz Modular Architecture(MMA)」を初採用した点にあります。同時に新OS「MB.OS」の初搭載モデルでもあり、ハードウェアとソフトウェア両面でメルセデス・ベンツの新世代を象徴する1台です。欧州価格はICE版が4万6243ユーロ(約865万円)、BEV版が5万5858ユーロ(約1045万円)、シューティングブレーク版が4万7611ユーロ(約891万円)からとなっています。
この記事では、新型CLAの全貌・グレード構成・MMAとMB.OSが示す技術的フェーズ転換、輸入Cセグメントの本命としての位置取り、そして20年以上の業界取材経験から見た国内市場への影響を、車両軸で検証します。
📌 新型CLAの全貌。MMAプラットフォーム+MB.OS搭載でBEV航続792kmとICE版MHEVを両立

注目はメルセデス・ベンツ自社開発の新プラットフォーム「MMA」を初採用した点。BEVとICEの両方で同一プラットフォームを共有する、新世代の起点となるアーキテクチャです。
メルセデス・ベンツ史上初のMMAプラットフォーム+MB.OSの初搭載
新型CLAが世代交代の象徴と位置づけられる最大の理由は、メルセデス・ベンツ自社開発の新プラットフォーム「Mercedes-Benz Modular Architecture(MMA)」を市販車として初採用した点です。MMAは内燃機関とBEVの両方を同一プラットフォーム上で展開可能なアーキテクチャで、今後のメルセデス・ベンツのコンパクトモデル群(Cセグ・Bセグ)の基盤となる重要な技術基盤です。
もう一つの新世代要素が、メルセデス・ベンツ自社開発の新OS「MB.OS」の初搭載です。MB.OSは車両のインフォテインメント・運転支援・電動化制御を統合する基盤ソフトウェアで、新型CLAでは最新世代のMBUXシステム「MBUXスーパースクリーン」を介して提供されます。ハードウェア(MMA)とソフトウェア(MB.OS)両面で新世代を起点とする位置づけは、過去のCLA(2013年初代登場・2019年2代目)からの非連続的な進化を意味します。
BEV版「CLA 250+ EQ Technology」は85.5kWhで航続792km
新型CLAのBEV版は「CLA 250+ EQ Technology」と「CLA 350 4MATIC EQ Technology」の2グレード展開です。エントリーのCLA 250+は85.5kWhバッテリーを搭載し、WLTP航続距離792kmという同セグメント随一の数値を実現しています。これは同クラスの輸入BEV(BMW i4・Tesla Model 3・Polestar 2等)の中でもトップクラスの水準で、長距離移動を視野に入れた実用的BEVの条件を満たしています。
上位グレードのCLA 350 4MATICは354馬力のシステム出力を備え、0-100km/h加速4.9秒のパフォーマンス仕様。4MATICが示す通り四輪駆動で、メルセデス・ベンツらしい走行安定性も両立しています。両グレード共に新型バッテリーマネジメントシステムを採用し、急速充電性能・温度管理・劣化耐性の各面で前世代から大幅進化を遂げています。
ICE版は1.5L直4+48V MHEV+新8速eDCTで3グレード展開
ICE版(内燃機関版)の新型CLAは、1.5L直4エンジンに48Vマイルドハイブリッドシステムと新開発の8速eDCT(電動デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせます。グレードは出力違いで3段階:CLA 180(136ps)、CLA 200(163ps)、CLA 220(190ps)。すべて同じ1.5L直4ユニットを使用しながら、ECUセッティングと過給特性で出力を作り分けています。
新型8速eDCTの特徴は、変速機内に小型モーターを内蔵することで48V系統からのトルクアシストを実現する点です。発進時や加減速時の電動アシストにより、内燃機関の効率限界を補強する設計です。同セグメントでは、BMW 3シリーズの48V MHEV、Audi A5の同等システムと比肩する技術構造です。
ボディサイズと国内競合との寸法比較
新型CLA(4ドアクーペ)のボディサイズは全長4723mm×全幅1855mm×全高1468mm、ホイールベース2790mm。前世代CLA(全長4690mm×全幅1830mm×全高1430mm)から各方向に拡大し、特にホイールベース延長による居住性向上が見込まれます。全幅1855mmは輸入Cセグでは標準的な数値で、日本の都市部駐車場における取り回しは前世代と大きく変わらない範囲に収まっています。
装備面では、新MBUXスーパースクリーンが標準装備となり、ドライバーディスプレイ・センターディスプレイ・助手席ディスプレイの3画面で運転体験を再構築します。Euro NCAPの最高評価5星を獲得し、2025年テスト車両中Best Performerに選出された安全性能も大きな訴求ポイントです。

📌 欧州Car of the Year 2026受賞、輸入Cセグ本命の位置取りと国内導入の意味

新型CLAは欧州Car of the Year 2026で勝利。メルセデス・ベンツのCOTY受賞は1974年以来2回目、実に52年ぶりという歴史的な戴冠です。輸入Cセグの本命位置を獲得しました。
新型CLAが日本初公開されたMercedes-Benz Studio Tokyo(表参道)。2026年4月24日にグランドオープンした期間限定ブランドストアで、東京メトロ表参道駅A5出口から徒歩1分の立地。新型CLAを含む最新モデルや限定モデルの展示・試乗エリア・カフェ等を備え、ブランド体験の集約拠点として約1年間運営されます。
出典:メルセデス・ベンツ日本合同会社 公式『Mercedes-Benz Studio Tokyo』ページ(2026年5月時点アクセス)
輸入Cセグメント主要モデルとの比較
新型CLAの国内導入後に直接競合となるのは、BMW 3シリーズセダン(648万円〜・直4 MHEV)、Audi A5セダン(648万円〜・直4 MHEV)、Tesla Model 3(591万円〜・BEV)、Polestar 2(710万円〜・BEV)等です。価格帯は本邦正式価格の発表前ではあるものの、欧州価格を参照すれば、CLAのICE版は850〜950万円、BEV版は1000〜1200万円のレンジに着地する見込みです。
輸入Cセグメントは「ICE志向のBMW 3シリーズ/Audi A5」と「BEV志向のTesla/Polestar」に二極化していた構造でしたが、新型CLAはBEVとICEを同一プラットフォーム(MMA)上で展開する初の本格モデルとなり、「ユーザーがパワートレインだけを選択できる」一車種構造を初めて実現します。これは購入後の価値観変化(例:BEVから戻る・ICEに転向する)にも対応しやすい柔軟性を生みます。
4ドアクーペとシューティングブレーク|2ボディ並行展開の意味
新型CLAは4ドアクーペ(セダン形状)に加え、シューティングブレーク(ステーションワゴン形状)も同時展開されます。シューティングブレークの全長は4723mmで4ドアクーペと同等、全高は4ドアクーペより約30mm高くなることで、後席居住性とラゲッジ容量を向上させた実用派向け派生モデルです。欧州価格はシューティングブレークが4万7611ユーロ(約891万円)から、4ドアクーペより約1368ユーロ(約26万円)高い設定です。
2ボディ並行展開は、メルセデス・ベンツがCLAをコンパクトなフラッグシップ的位置づけで運用する戦略の表れです。Cセグメントにおいて4ドアクーペとシューティングブレークの両方を展開するブランドは限られており(BMW 4シリーズ Gran Coupé+3シリーズツーリング、Audi A5 Sportback+A4 Avant等)、CLAは「同一プラットフォーム・同一名称で2ボディ並行」という統一感のある運用形態が特徴です。
欧州Car of the Year 2026受賞|52年ぶりの戴冠が示す評価
新型CLAは2026年3月、欧州自動車ジャーナリスト58人が選定する「欧州Car of the Year 2026」を獲得しました。メルセデス・ベンツのCOTY受賞は1974年の450SE/450SEL以来、実に52年ぶり2回目という歴史的な戴冠です。欧州COTYは輸入車市場で最も影響力のある賞の一つで、過去の受賞車(VW ID.7、Renault Clio等)は欧州市場で確実な売上を獲得してきた実績があります。
受賞理由として欧州COTY審査委員会は、新型CLAの「BEVとICEを単一プラットフォーム上で並行展開する柔軟性」「航続792kmを実現したBEV技術」「MB.OSによるソフトウェア統合」を高く評価しました。同時にEuro NCAP最高評価5星も獲得し、2025年テスト車両中Best Performerに選出されています。これらの第三者評価は、国内導入時の輸入Cセグユーザーにとって有力な判断材料になります。
たかまさはこう見ている

新型CLAの登場で、輸入Cセグメント市場の「ICEとBEVは別車種」という前提が崩れます。同一プラットフォームで両方を選べる構造は、ユーザーの選択肢を広げる業界的転換点です。
20年以上自動車業界を取材してきた中で、輸入Cセグメント市場は長らく「ICEはBMW 3シリーズ/Audi A4・A5、BEVはTesla Model 3」という分断構造で進んできました。メルセデス・ベンツのCLAは2013年初代登場以来、ICEで4ドアクーペスタイルを軸にしてきましたが、世代を重ねるにつれて、BEVを別ラインで投入する必要性が課題として浮上していました。
新型CLAが採用するMMAプラットフォームは、その分断を解消する解答です。同一車種・同一プラットフォーム上でBEV(航続792kmのCLA 250+ EQ Technology)と1.5L直4 MHEV(CLA 180/200/220)を並行展開できる構造は、ユーザー側に「パワートレインだけを選ぶ」自由度を提供します。これは購入後5〜10年の保有期間中に充電インフラやエネルギー価格が変動するリスクに対する保険でもあり、輸入Cセグユーザーの意思決定を後押しする要素です。
11回の車両買い替え経験から判断すると、新型CLAの2026年夏国内導入時には、ICE版が初動の主力(CLA 200/220)、BEV版(CLA 250+)が中長期の本命グレードという構造が予想されます。日本では充電インフラの整備状況や住宅事情から、ICEとBEVの選択は購入者の生活環境に強く依存しますが、同一車種で両方を選べる柔軟性は他ブランドとの差別化要素になります。欧州COTY 2026受賞・Euro NCAP 5星・航続792kmという3つの第三者評価は、輸入Cセグ本命としての説得力を持っています。輸入Cセグメント市場における「ICE車対BEV車」の二極構造は、新型CLAの登場をきっかけに、より統合的な選択肢へと変質していくはずです。
🔍 この記事のファクトチェックについて
本記事に掲載した画像は、すべてメルセデス・ベンツ日本合同会社 公式モデルページ『新型CLA』(2026年4月22日公開)および公式『Mercedes-Benz Studio Tokyo』ページから引用しています。引用は著作権法第32条に基づき、報道目的での適正な範囲内で実施しています。

