
日産の主力コンパクト「ノート」の次期型が、2027年夏にもワールドプレミアと予想されています。発電エンジンを1.4Lに拡大し、第3世代e-POWERを採用する見込み。販売10位転落と追浜工場閉鎖の中、復権を賭ける一台です。
2020年12月発売の現行3代目ノートシリーズ(E13系/参考画像)。2025年8月28日の一部仕様向上で先進安全装備を強化、AUTECH LINEを新設定しました。次期4代目は2027年夏のワールドプレミアが予想され、第3世代e-POWERと1.4L発電エンジンの採用が報じられています。
出典:日産自動車ニュースルーム『「ノート」「ノート オーラ」「ノート オーラ NISMO」を一部仕様向上』(2025年8月28日)
「日産ノートはもう終わった」と思い込んでいませんか。
2026年5月17日付のレスポンス記事によれば、日産のハッチバック「ノート」と「ノート オーラ」が7年ぶりのフルモデルチェンジを計画しており、4代目(E14型予想)のワールドプレミアは2027年夏頃と予想されています。発電エンジンを現行の1.2L直3(HR12DE系)から1.4L直3自然吸気へ拡大し、第3世代e-POWERと5-in-1電動パワートレインユニットを採用する見込み。フロントは「ミニ・セレナ」風の縦基調グリルに3連プロジェクターL型LEDを組み合わせ、エクステリアを全面刷新する案が複数メディアで予想CGとして報じられています。
現行3代目(E13型)は2020年12月発売で、2018年度の登録車No.1から2025年度は78,123台で10位まで後退(前年比76.8%)。追浜工場の2027年度末閉鎖が2025年7月に発表される中、次期型は復権を賭けた重要モデルとなります。第3世代e-POWERは欧州のキャシュカイで2025年9月に先行投入され、WLTP燃費4.5L/100km(約22.2km/L)、第2世代比で高速燃費15%改善・室内静粛性5.6dB向上が公式に確認されています。
本記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点も交えながら、次期ノート4代目の予想スペック、現行型の販売推移と価格構造、第3世代e-POWERの車種別出力ヒエラルキー、そして追浜工場閉鎖と次期型開発が並行する「二重構造」の経済合理性を検証します。

📌 次期ノート4代目の中身予想、1.4L第3世代e-POWERと5-in-1電動ユニットの設計思想

第3世代e-POWERのキャシュカイ実証済みデータがあるからこそ、コンパクトへの水平展開時の性能予想に具体性が出ています。エルグランドとの出力ヒエラルキーが重要です。
現行2代目e-POWER(1.2L/82ps)から第3世代へのジャンプ
現行3代目ノート(E13型/2020年12月発売)に搭載されているのは、HR12DE-EM47エンジン(1.2L直列3気筒)と第2世代e-POWERの組み合わせです。発電エンジン最高出力は82ps前後、フロントモーター出力はノートで116ps/280Nm、上位のノートオーラで136ps/300Nm。プラットフォームはルノー・日産アライアンス共通のCMF-Bで、姉妹車にはルノー・ルーテシア(クリオ5)があります。WLTCモード燃費は2WDが28.4km/L、4WDが23.8km/Lです。日産公式の2025年8月28日一部仕様向上リリースでは、衝突被害軽減ブレーキの左右検知範囲を拡大し、後席リマインダーを全グレード標準化するなど、現行型としての完成度を上げています。
これに対し、第3世代e-POWERは設計思想を抜本的に転換しています。日産公式が2025年6月26日に発表したキャシュカイの第3世代e-POWER搭載モデルでは、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機の5つの主要部品を一体化した「5-in-1 e-POWERパワートレインユニット」を採用。モーター最高出力は第2世代比で11kW向上し151kW、バッテリー容量は2.1kWhを維持しつつ、ユニット自体の高剛性化と軸構造の最適化により、走行時の音や振動を大幅に低減しています。WLTP燃費は4.5L/100km(約22.2km/L)でセグメントトップクラス、最大航続距離は1,200kmに到達しました。
1.4L発電エンジン拡大の意味と5-in-1ユニットの構造
次期ノート4代目の発電エンジンが1.4L直列3気筒自然吸気へ拡大する案は、複数の自動車メディアで予想CG付きで報じられています。ベストカーWeb(2026年4月16日付)では、現行ノートのWLTCモード燃費(2WD 28.4km/L、4WD 23.8km/L)に、キャシュカイで実証された改善幅の最大値17%を上乗せした場合、2WDで33km/L、4WDで28km/Lが視野に入るという試算が示されています。発電エンジンを1.2Lから1.4Lに拡大する利点は、最高熱効率の領域を高トルク側へ広げ、高速走行時の発電効率と静粛性を同時に改善できる点です。
5-in-1電動ユニットの本質は、コスト構造の見直しでもあります。日産公式の第3世代e-POWER技術解説によれば、3-in-1 EVパワートレイン(リーフ系)と部品共用化することで、部品コストや生産コストの低減を実現。日産は「e-POWERでは2026年までにエンジン車同等のコストを目指す」と表明しています。次期ノートが1.4L第3世代e-POWERを採用すれば、価格上昇は15〜20万円程度の予想範囲に抑えられる可能性が高く、現行Xグレード232.8万円ベースで250〜260万円台が現実的な着地点と考えられます。
第3世代e-POWER車種別ヒエラルキーとノートの立ち位置
第3世代e-POWERは、車種ごとに発電エンジンを使い分ける構造です。日産公式の新型エルグランド先行公開リリース(2025年10月29日)によれば、エルグランドは新開発の「ZR15DDTe」(1.5Lターボ直噴)+5-in-1ユニットを採用。同エンジンは北米市場の次期ローグ(日本名エクストレイル相当)にも展開されます。一方、Bセグメントのノート/ノートオーラには、より小排気量の1.4L直3自然吸気が想定されており、これが車格に応じた出力ヒエラルキーを形成します。
整理すると、第3世代e-POWERのラインアップは(1)エルグランド/次期ローグ向けの1.5Lターボ(ZR15DDTe・最高熱効率42%)、(2)次期ノート/オーラ向け予想の1.4L直3自然吸気の2系統が想定されます。同じ第3世代でも、車両重量と用途に応じてエンジンを使い分けることで、量産規模の確保とコスト最適化を両立する設計です。日産公式ストーリーズ記事によれば、ZR15DDTeエンジンは「Strong Tumble and Appropriately stretched Robust ignition Channel:STARC」と呼ぶ独自燃焼コンセプトを核とし、2025年度日本燃焼学会の「技術賞」を受賞するなど、技術的完成度の高さが第三者評価でも示されています。

📌 現行型の販売推移と4代目価格・グレード戦略、追浜工場閉鎖と復権の二重構造

追浜工場の2027年度末閉鎖と並行して4代目開発が進む構図は、日産経営再建計画「Re:Nissan」の中でも象徴的です。閉鎖発表後も投資を継続する判断の意味は重いです。
2024年6月13日マイナーチェンジ時のノート オーラ(フォレストグリーン×スーパーブラック2トーン/現行型E13系参考画像)。デジタルVモーショングリル、ウイング形状の前後バンパー、新デザインの17インチアルミホイールを採用。全幅を拡大し3ナンバー化したプレミアムコンパクトです。価格はGグレード2WDで282.15万円(2025年8月時点)。
現行型2025年度78,123台10位の推移と要因分析
現行3代目ノートシリーズ(ノート+ノートオーラ)の年間販売台数は、2022年度のピーク113,390台から減少基調にあります。AUTOCAR JAPAN(2026年1月8日付)によれば、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の登録車車名別ランキングでは、トヨタ・ヤリスが166,533台で2年ぶりの首位、続いてカローラ138,829台、シエンタ106,558台と続き、日産ノートは78,123台で10位、前年比76.8%の落ち込みです。トップ10中8モデルがトヨタ車と、日産勢では唯一のランクイン。carview!記事(2025年11月14日付)によれば、2025年4〜9月期の登録車では、ヤリス75,349台(1位、ただしヤリスクロス含む)、ノート37,070台(10位)、フィット22,037台(20位)という構図でした。
失速要因は複合的です。2023年12月のマイナーチェンジでデジタルVモーションを採用した新フロントマスクへの賛否、トヨタ・アクアやホンダ・フィットなどコンパクトハイブリッド市場での競合激化、そしてマイチェン後3年経過によるモデルサイクル後半期の自然減衰が重なった結果と分析されます。2026年1月の前年同月比は68.9%、2月は84.4%と、2026年に入ってからも回復の兆しは限定的(ベストカーWeb記事より)。次期型がこの流れを断ち切れるかが焦点です。
現行価格構造(X 232.8万〜オーラNISMO 353.1万)とGRADE MATRIX
2025年8月28日一部仕様向上後の現行ノートシリーズの価格帯は、ノートX(2WD)232.87万円から、ノート オーラ NISMO tuned e-POWER(4WD)353.10万円までと、コンパクトカーとしては幅広いレンジを構成しています。次期4代目は装備標準化と第3世代e-POWER採用に伴い、各グレードで15〜20万円程度の価格上昇が予想されます。
次期4代目価格予想15〜20万増の経済合理性と追浜工場の二重構造
次期ノート4代目の価格は、現行ベースから15〜20万円程度の上昇が予想されます。これは(1)第3世代e-POWER採用に伴う部品コスト上昇、(2)12.3インチGoogleビルトインナビ等の装備標準化、(3)安全装備のさらなる強化、を反映した想定値です。Xグレード相当で250〜260万円台、オーラG相当で300万円台前半が現実的な着地点となるでしょう。なお、Creative Trend記事によれば次期型はCMF-Bプラットフォームをベースとし、駆動方式は前輪駆動2WDと電動四輪駆動e-4ORCEを設定する見通しです。
追浜工場(神奈川県横須賀市)の2027年度末閉鎖は、2025年7月の経営再建計画「Re:Nissan」の中で正式に発表されました。同工場ではノート、ノートオーラ、リーフ等のコンパクトカーを生産しており、閉鎖後は他工場への生産移管が想定されています。注目すべきは、閉鎖発表後も次期4代目の開発投資が継続されている点です。生産拠点の合理化と次期型による商品力強化を同時に進める戦略は、日産経営再建の現実解として機能するかが問われます。
📌 たかまさはこう見ている

次期ノート4代目は、日産経営再建計画「Re:Nissan」の象徴的存在になります。第3世代e-POWERとコンパクトカーの組み合わせが、グループ全体の電動化ロードマップの試金石です。
20年以上自動車業界を取材してきた中で、日産ノートほどポジション変動の激しいモデルは記憶にありません。2018年度の登録車No.1(年間136,324台)から、2025年度の10位78,123台へ。シェアでいえば、約7年で4割減という落差は、コンパクトカー市場の構造変化の縮図そのものです。トヨタ・ヤリスがハッチバック+クロスのデュアル戦略で覇権を維持し、ホンダはフィットからフリードへ重心を移動。日産はノート+ノートオーラのレンジ拡張で対抗してきましたが、コンパクトハイブリッド競争の激化に対し、第2世代e-POWERのままでは差別化が薄れた構図が明確に見えます。
第3世代e-POWERの欧州キャシュカイでの実証データは、十分な期待値を裏付けています。WLTP燃費4.5L/100km(約22.2km/L)、最大航続距離1,200km、第2世代比で高速燃費15%改善・室内静粛性5.6dB向上。日産公式ストーリーズの開発インタビューでも、ZR15DDTeエンジンが最高熱効率42%を達成した技術的背景が解説されています。この第3世代がコンパクトに降りる意味は、単なる燃費改善ではなく「e-POWER専用機としての完成度」の証明です。次期ノートが1.4L直3自然吸気で同等の効率水準を実現できれば、日本市場のコンパクトハイブリッド競争の主戦場が再定義される可能性があります。
FP視点で言えば、次期ノート4代目(2027年夏予想ワールドプレミア)は「6〜7年保有・年間1万km走行・燃料費を抑えたい層」にとって有力候補となります。第3世代e-POWERで燃費が15%改善されれば、年間燃料費差は1〜2万円。7年保有で7〜14万円の差額が見込めます。これは初期コスト上昇15〜20万円を回収できるかの境界線上です。もう一つ、見逃せないのが追浜工場閉鎖と次期型開発が並行する「二重構造」の意味です。閉鎖発表後も投資を続ける判断は、日産がノートを単なる量産モデルではなく、e-POWER技術アセットを世に問うフラッグシップとして位置づけている証左です。第3世代がコンパクトに降りる2027年夏は、日産経営再建の岐路の象徴的瞬間になります。
🔍 この記事のファクトチェックについて
本記事に掲載した車両画像は、すべて日産自動車ニュースルーム(https://global.nissannews.com/)の公式プレスリリース画像から引用しています。ヒーロー画像は2025年8月28日の「ノート」「ノート オーラ」「ノート オーラ NISMO」一部仕様向上リリース、サブ画像は2024年6月13日の「ノート オーラ」マイナーチェンジリリースに掲載された公式画像です。いずれも現行型E13系の参考画像であり、引用は著作権法第32条に基づき、報道目的での適正な範囲内で実施しています。

