
GRヤリスの特別仕様車2モデルの抽選応募が5月27日に開始されました。MORIZO RRは900万円・8AT、オジエ9x Editionは845万円・6MTで各100台限定。本日5月28日開幕のWRCラリージャパン2026会場で展示されます。
2026年5月27日に抽選応募が開始されたGRヤリス特別仕様車2モデル。上:GRヤリス MORIZO RR(グラベルカーキ/8AT/900万円)。下:GRヤリス Sébastien Ogier 9x World Champion Edition(グラビティブラック/6MT/845万円)。それぞれ100台限定、合計200台を「GR app」経由で抽選販売します。本日5月28日から愛知・岐阜で開幕するWRCラリージャパン2026会場でも展示予定。
「ヤリスはコンパクトカー」だと思い込んでいませんか。
2026年5月27日13:30、GAZOO RacingがGRヤリスの特別仕様車2モデルの抽選応募を「GR app」経由で開始しました。GRヤリス MORIZO RRは900万円・GR-DAT 8AT、GRヤリス Sébastien Ogier 9x World Champion Edition(以下、オジエ9x Edition)は845万円・iMT 6MTで、いずれも100台限定。合計200台を全国で抽選販売します。応募期間は6月9日23:59まで、当選発表は7月1日、納車を伴う発売は2026年8月上旬の予定です。
26式GRヤリス(2026年4月6日発売)の通常モデル最上位「RZ“High performance”+ Aero performance package」は8ATが588.22万円・6MTが553.22万円。これに対し、MORIZO RRは同じ8ATで+311.78万円、オジエ9x Editionは同じ6MTで+291.78万円という上乗せ価格となります。本日5月28日(木)からは、愛知県・岐阜県を舞台にFIA世界ラリー選手権第7戦「フォーラムエイト・ラリージャパン2026」が開幕。会場では本2モデルも展示され、抽選応募締切に向けた話題性が一気に高まる流れです。
本記事では、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点も交えながら、確定価格900万円と845万円の中身、両モデルの仕様差分、2024年のオジエ/ロバンペラEdition(各845万円・100台)と比較した抽選倍率予想、そしてラリージャパン本日開幕とのタイミングシナジーを検証します。

📌 確定価格900万と845万の中身、MORIZO RRとオジエ9x Editionの装備差分

2モデルは「8ATのMORIZO RR」と「6MTのオジエ9x Edition」できれいに役割分担されています。共通エンジンに対し、足回り・空力・四駆制御・カラーで差別化されている構造です。
MORIZO RR 900万円・8AT専用、ニュル24時間で鍛えた足回り
GRヤリス MORIZO RRは、モリゾウこと豊田章男会長とともに2025年に6年ぶりGRヤリスでニュルブルクリンク24時間耐久レースに「TOYOTA GAZOO ROOKIE Racing」として参戦した経験を反映した特別仕様車です。専用ショックアブソーバーと専用電動パワーステアリングのチューニング、4WDモードセレクト専用制御「MORIZOモード」を備え、外装には可変式カーボン製リヤウィング・カーボンエンジンフード(ダクト付)・フロントスポイラー・サイドスカートをセット。タイヤはブリヂストン POTENZA RACEの225/40R18、ホイールはBBS製鍛造アルミ8J(インセット45mm)です。
カラーリングはモリゾウこだわりの特別設定色「グラベルカーキ」を基調に、ブレーキキャリパーとインテリアの差し色はモリゾウのシグネチャーカラーである「イエロー」を採用。GRステアリングはウルトラスエードのイエローステッチ付、ヘッドレストは専用刺繍入りでイエローステッチ、シフトノブとパーキングブレーキカバーもウルトラスエード仕上げです。バックドアには「MORIZO RR」エンブレム、助手席側フロントウインドウにMORIZOサイン、コックピット内にはシリアルナンバー入りプレートが装着されます。トランスミッションは8速のGR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)専用で、6MT設定はありません。車両重量は1,310kg、全長4,040mmと、後述するオジエ9x Editionより45mm長く20kg重い構成です。
オジエ9x Edition 845万円・6MT専用、WRC9度王者の「SEB.」モード
GRヤリス Sébastien Ogier 9x World Champion Editionは、TGR-WRT所属のセバスチャン・オジエ選手がWRC2025でドライバーズチャンピオンに輝いた(自身9度目のタイトル獲得)功績を記念した特別仕様車です。Aero performance packageをベースに、オジエ選手と作り込んだ4WDモードセレクト専用制御「SEB.」モードを搭載。トランスミッションはiMT(6速マニュアル)専用で、8AT設定はありません。MORIZOモードも同時搭載しており、ステアリングを握ったドライバーがWRCチャンピオンとマスタードライバーの2つの足回りキャラクターを切り替えられる構造です。
カラーリングは特別設定色「グラビティブラック」、ブレーキキャリパーは「ブルー」、アルミホイールはマットブラック塗装のBBS鍛造(MORIZO RRと同サイズ)。ラジエーターグリル加飾はトリコロール、GRステアリングはトリコロールステッチ付、左右ドアには「TOYOTA GAZOO Racing」デカール、左右リヤフェンダーには「GR」デカールが入ります。パーキングブレーキは本革巻きの縦引き(手動)で、これは2024年発表のGRヤリス新パーキングブレーキと同じ思想です。バックドアには「Sébastien Ogier 9x World Champion Edition」エンブレム、コックピット内にはシリアルナンバー入りプレートが装着されます。エンジン・タイヤ・ホイール基本仕様はMORIZO RRと共通、全長3,995mm・車両重量1,290kgとMORIZO RRより45mm短く20kg軽い構成です。
共通スペックG16E-GTS 304ps/400Nm、26式最上位との価格差
両モデルは共通のG16E-GTS(直列3気筒インタークーラーターボ、1.618L)を搭載し、最高出力224kW(304ps)/6,500rpm、最大トルク400Nm/3,250-4,600rpmを発生します。これは26式GRヤリスの通常モデル「RZ“High performance”」の出力と同値で、エンジン自体のスペックアップはなく、差別化は足回り・空力・四駆制御・専用色・専用エンブレム・希少性プレミアムに集約されている構造です。トルセンLSDをフロント・リヤに、サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式、リヤがダブルウィッシュボーン式と、ベースから引き継がれた本格スポーツ構成は変わりません。
26式GRヤリス(2026年4月6日発売)の通常モデル最上位は「RZ“High performance”+ Aero performance package」で、6MTが553万2200円、8AT(GR-DAT)が588万2200円。これに対し、MORIZO RR 900万円は同じ8ATで+311.78万円(+53%)、オジエ9x Edition 845万円は同じ6MTで+291.78万円(+53%)の上乗せとなります。特別装備の追加内容(専用ショック・専用電動パワステ・可変リヤウィング・専用四駆モード等)を加味した上乗せ価格は、過去の限定車と同じ「上乗せ300万円前後」のレンジに収まっています。

📌 抽選200台の倍率予想と本日ラリージャパン開幕のシナジー、買えなかった層への現実解

2024年の前例100台抽選販売は、Aero performance package非装着の進化型GRヤリス(当時570万円台)から見て大幅なプレミアム価格でしたが、それでも応募が殺到しました。今回も同等以上の倍率が予想されます。
GRヤリス MORIZO RR(グラベルカーキ/可変式カーボンリヤウィング/イエローキャリパー)。ニュル24時間耐久参戦で得た学びを反映し、専用ショックアブソーバー・電動パワーステアリング・四駆制御「MORIZOモード」を備える8速GR-DAT専用車。価格900万円・100台限定で、本日5月28日開幕のラリージャパン2026会場でも展示されます。
2024年100台抽選販売の前例と、応募締切まで13日間の集中度
2024年の限定車「GRヤリス RZ“High performance”・セバスチャン・オジエ エディション」と「同・カッレ・ロバンペラ エディション」も、それぞれ100台限定の抽選販売でした。当時の応募期間は2024年3月20日〜31日のわずか12日間、当選発表は4月18日、価格は両モデル共通845万円(消費税込み)。今回のオジエ9x Editionが2024年と同額据え置きである点は、抽選販売プログラムとしての連続性と価格戦略の一貫性を示しています。
応募締切までの期間は今回13日間(5月27日13:30〜6月9日23:59)と、2024年とほぼ同等の短期決戦型です。GR appのみが受付チャンネルで、抽選には完全無作為ではなく応募内容を踏まえた所定の方法による選定が行われる点も2024年と同様です。GR Garageへの来店や試乗履歴、GR appの利用状況などが選定要素となる可能性が高く、単純な抽選ではないことを応募前に理解しておく必要があります。GAZOO Racing公式は「本抽選は完全無作為ではなく、応募内容を踏まえ、所定の方法により当選者を決定します」と明記しています。
本日5/28開幕ラリージャパン2026・応募締切までの可視化機会
FIA世界ラリー選手権第7戦「フォーラムエイト・ラリージャパン2026」は、本日5月28日(木)から31日(日)まで愛知県と岐阜県を舞台に開催されます。サービスパークは豊田、初日5月28日は鞍ケ池公園でのシェイクダウン(テスト走行)と、愛知県体育館敷地でのオープニングセレモニーが予定されています。会場では今回発表されたGRヤリス MORIZO RRとオジエ9x Editionが展示され、6月9日23:59の応募締切までに実車を見られる貴重な機会となります。あわせて、両モデルの1/43スケールモデルカー(各16,500円税込)も会場および三井アウトレットパーク岡崎内TOYOTA GAZOO Racing Store、TOYOTA GAZOO Racing楽天市場店で販売予定です。
TGR-WRTからは、エルフィン・エバンス、セバスチャン・オジエ、オリバー・ソルベルグ、勝田貴元の4組と、TGR-WRT2からサミ・パヤリを加えた合計5台のGR YARIS Rally1がエントリー。第6戦ラリー・ポルトガル終了時点でドライバーズランキング2位の勝田貴元選手にとってホームイベントとなり、本人実車の走りと特別仕様車の展示が同じ会場で見られる構図です。なお、開催時期が従来の秋から初夏に変更された結果、気温が高くマシン負荷も増す環境となるため、ターマック路面のテクニカルなコース設定と合わせて見どころが多いラウンドになります。
抽選に外れた層への現実解、26式RZ“High performance”+Aeroと中古限定車
200台という限定枠の性質上、応募者の大半は当選に至りません。外れた層への現実解は3つあります。第一は、26式通常モデル最上位の「RZ“High performance”+ Aero performance package」を選択する道。価格は6MTで553.22万円、8ATで588.22万円。Aero performance packageに含まれる可変式リヤウィングや専用エアロパーツは、オジエ9x Editionが空力ベースとして引き継いだものと同源流の装備です。第二は、2024年オジエ/ロバンペラEdition(各845万円・100台)の中古市場を当たる道。第三は、9月以降の継続改良で26式に新グレードが追加される可能性を待つ判断です。
11回の車買い替え経験で得た私の感覚では、抽選販売の限定車を「投資資産」として組み立てるなら、走行を抑えて保有することが基本になります。一方、走らせる楽しみを優先するなら通常モデルの最上位を即納で買い、好みのカスタムを施した方が満足度は高いケースが多いです。MORIZO RR 900万円とオジエ9x Edition 845万円は、走らせる楽しみと希少性プレミアムを同時に求める応募者に向けた商品設計であり、用途と保有スタイルを応募前に明確化することが現実的な判断軸となります。
📌 たかまさはこう見ている

MORIZO RR 900万円・オジエ9x Edition 845万円は、GRヤリスというプラットフォームを「走る人の希少性プレミアム」に押し上げる戦略的な値付けです。本日のラリージャパン開幕と6月9日応募締切のシナジーは絶妙です。
20年以上自動車業界を取材してきた中で、GRヤリスほど短期間に多様な特別仕様車を生み出した量産車は記憶にありません。2020年の初代発売から、2022年のRZ“High performance”・セバスチャン・オジエ エディション(100台・845万円)、2024年のオジエ/ロバンペラEdition(各100台・845万円)、そして2026年5月のMORIZO RR 900万円とオジエ9x Edition 845万円。共通エンジンを軸にしつつ、足回り・空力・四駆制御・専用色で差別化するGAZOO Racingのプロダクト設計は、希少性と走りの本質を両立させた稀有なケーススタディです。
特に今回注目すべきは、MORIZO RR 900万円がGRヤリスとして「初の900万円台到達」を果たした点です。専用ショックアブソーバー・チューニング、専用電動パワーステアリング・チューニング、4WD専用「MORIZOモード」という走りの三点セットが、ニュル24時間耐久参戦という実戦経験を経て商品化されました。これに対しオジエ9x Editionは2024年と同額の845万円据え置きで、価格戦略の連続性を維持しつつ「SEB.モード」というWRC9度王者監修の四駆制御という新装備で差別化。GR-DATの電子制御で走るMORIZO RRと、iMTでアナログに走るオジエ9x Editionが価格差55万円の中に並ぶ構図は、買い手の走行スタイルへの真摯な提案として読み取れます。
FP(ファイナンシャルプランナー)視点で言えば、両モデルは「走らせる楽しみと希少性プレミアムを同時に求め、保有後3年で大幅な値落ちを心配しないで済む層」に向けた商品です。過去の限定車事例では、中古市場で新車価格を上回る個体も観察されており、200台合計の限定枠の希少性は時間が経過するほど強固になります。本日のラリージャパン2026開幕、6月9日23:59の応募締切、7月1日の当選発表、8月上旬の発売、というスケジュール設計は、WRCシーズン半ばの注目最大化期にピタリと重ねられた巧妙なマーケティングです。GAZOO Racingが「クルマを鍛える」だけでなく「クルマで物語を売る」プロダクトメーカーへ進化した瞬間が、ここに凝縮されているように見えます。
🔍 この記事のファクトチェックについて
本記事に掲載した車両画像は、すべてGAZOO Racing公式プレスリリース(https://toyotagazooracing.com/jp/pressrelease/2026/0527-01/)の公式画像から引用しています。ヒーロー画像は両モデル並列の公式画像(0527-01_01.jpg)、サブ画像はGRヤリス MORIZO RRの公式画像(0527-01_04.jpg)です。いずれも2026年5月27日抽選応募開始時に公開された公式素材であり、引用は著作権法第32条に基づき、報道目的での適正な範囲内で実施しています。

